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キミといる場所
第8章 制御不能な夜
木戸社長の襲来と花穂ちゃんの追求のおかげで
仕事の予定が大幅に遅れてしまった。
年末進行、締め切り間近の設計を複数抱えている私は、久しぶりの徹夜を覚悟した。

cocoliに残り物でも漁りに行きたかったが、
その時間すらない。
もうすぐ閉店の時間だ。
コーヒーだけでも…という気持ちを押さえつつパソコンに向き合う。

木戸社長とのやり取りを、
長谷川くんがどう見ていたのか…。

社長が会計をしてくれてる時の様子は、
その笑顔も口調もいつも通りすぎて
なんにも読めない。

は、いかんいかん。
仕事仕事。


建設面積18坪の狭小住宅。
施主は結婚を控えたカップルだ。
将来、家族が増えたときのための子供部屋と、
自然光が入るリビングをリクエストされている。
打合せの時、仲のいい様子をたっぷり見せてくれた二人。
この小さな建物に大きな夢が詰まっていると思うと、
出来る限りの望みを叶えてあげたい。

私は図面に集中し、
cocoliの明かりが消えたことも、
事務所のドアがノックされたことも気付かずにいた。

「こんばんは」

突然聞こえた長谷川くんの声に、
飛び上がるほど驚いた。

「驚かせてごめんなさい」

コーヒーの差し入れに来てくれたという長谷川くんは
私服に着替えていた。
もうそんな時間なんだ。

「ありがと」

ヘーゼルナッツカプチーノ。
私の好きなやつ。

「まだ終わらないんですか?」

紺色のダッフルコートが学生みたいに見える。

「うん、今日は徹夜になりそう」

「そっかぁ…ごはん誘おうと思ったんだけど」

なんだってー!?
うー、行きたいけど、すごく行きたいけど…。
あのカップルの幸せのために、
今夜は頑張らにゃいかんのよ。

「ごめん」

断腸の思いとはこのことか!




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