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キミといる場所
第10章 蜜熱
よく晴れた土曜日。
迷える施主さんの地鎮祭に出席した。

長谷川くんと焼き肉で盛り上がったことを思い出す。
手のひらの感触も忘れられずにいた。

事件からずいぶん長い間、
私は男性に接触するのが苦手で、
当時付き合っていた相手にさえ
触れられると総毛立つような状態だった。

あの日素直に左手を差し出した私は、
その感触にときめいた。
鍋の夜だってそうだ。
密着するカラダに、総毛立つどころか安らぎさえ感じた。

長谷川くんとのこれからに、
必ず訪れるであろう『その時』。

徹夜した夜のように突然ではなく、
穏やかに優しく訪れてくれれば、
きっと大丈夫。

そうでしょ、神様?

工事の安全を祈る儀式の最中に、
そんなこと祈られても神様は困るであろう。
地面に立てられた青竹が揺れた。


直会を終え、相田と事務所に戻ってきたのは夕方近く。

「コーヒーでも飲んでくかー」
と相田の提案でcocoliに向かった。
「毎度どうもー」と扉を開ける姿は業者のおっさんだ。

笑いをかみ殺してあとに続くと、貴子さんが笑いながら迎えてくれた。

「いらっしゃいませ。今日はお揃いね」

「俺はブレンド」

と、どっかり座りこんだカウンターに、長谷川くんの姿がない。

「あ、ハルね、熱っぽかったからランチ終わったあとに帰しちゃったの」

熱?風邪ひいた?

ティータイムが終わりかけの店内にはまだ数名の客がおり、貴子さんは少し忙しそうだった。

「菜緒ちゃん、悪いんだけど帰りにハルんとこ寄ってくれないかしら?」

お粥の入った紙袋を渡された。

「私は閉店まで動けないし、あの子たぶん風邪薬も常備してないと思うのよねぇ」

「そりゃ大変だ」

相田も心配顔になる。

そうなるともう居ても立ってもいられない!
私はcocoliを飛び出した。

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