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キミといる場所
第11章 暖かな涙
翌朝、棺桶から這い出たゾンビの如く
ヨロヨロとスマホを取りだし、
相田へ電話を入れる。
早朝の無礼を詫び、インフルエンザで欠勤の報告をした。

「わかった。現場の管理は俺がする…けど、今週締切物件があっただろ」

「はい、自宅で完成させますから、山田くんにデータと資料を届けてもらえるようにお願いします」

「りょーかい」

はぁ…甘い生活は無理そうだよ、長谷川くん。

「菜緒ちゃんなぁ」

「はい?」

「cocoliの兄ちゃんから感染されたな?」

「さ、さぁ…どうでしょう?」

「ふむ…」

受話器の向こうのひげ面が、
優しくにんまりするのが伝わってきた。

「お前らしく生きればいいんよ。仕事だけじゃなくな」

そんじゃお大事に、と切られた電話に向かい
私は頭を下げる。
何度目だかわからない暖かな涙に濡れた顔を、
長谷川くんが優しく見ていた。


「さああて、お引っ越しだ!」

土曜の夜から着の身着のままで長谷川くんチにいる私。
長谷川くんに借りた大きすぎるスエットの袖をまくった。

「えええ、菜緒さん、まだ熱あるのに」

「師走の時は止まってくれぬのだよ、長谷川くん」

「仕事、ってなると元気になる菜緒さんって…」

「ん?」

「大好きさ!」

うごー!やる気出たー!
急いで洗面所で着替え、顔を洗う。
部屋では長谷川くんがなにやらごそごそと、

「僕も行きます!菜緒さんチ!」

荷造りをしていた。

なんか集中出来なくなりそうだけど。
でも大いに励みになりそうだから。

「よし行くぞ!」

「ラジャー!」

荷物と長谷川くんを連れて、
我が家に出発だ。
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