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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第6章 願い事~海斗~
時折靡くブラウンの長い髪
微笑んで少し細められたぱっちりとした大きな瞳
綺麗に弧を描く血色のいい唇
少し上気したピンク色の頬
その全てが俺を捉えて離さない
その横顔をこのままずっと見つめていたい
そう思うほどに綺麗だった
何かを思い出してるのか、莉愛菜は空を見上げながらまた小さく笑った。
俺はようやく足を動かし、その背中に近づく
窓を開けるが、莉愛菜は気付かない。
優しい夜を纏う風が莉愛菜から桜の香りを俺の元へ届ける。
夜はいつも桜の香りが色濃く香る
莉愛菜の好きな花
莉愛菜の好きな母親の名前の花
この香りを纏わせたのは俺自身
俺がそうさせたのに、俺の方がこの香りに夢中になってる
莉愛菜は桜の香り
桜は莉愛菜
桜の香りは、俺を欲情させる