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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第6章 願い事~海斗~
あぁ、そうか。
今日は七夕だったな。
星にも迷信にも興味がない俺は、そんなことすっかり忘れていた。
莉愛菜はこれが見たかったんだな。
素直な感想を口にすると、とても喜んではしゃぐ無邪気な莉愛菜。
こんなことでこんなに喜ぶのか。
星にも負けない程のキラキラした瞳で空を見上げる莉愛菜はとても楽しそうだった。
星には興味は無いが、莉愛菜と見るのは悪くない。
そう思い二人で星空を眺めていると、頭の片隅に仕舞われていた遠い昔の記憶が蘇ってきた。
まだ俺達が幼い頃の事。
莉愛菜の短冊の宿題。
それに書いた、純粋な莉愛菜の願い事は俺と結婚する事だった。
あの頃の俺は、莉愛菜を可愛い妹のように思っていて、ガキながらにも悲しい経験をした小さな莉愛菜を俺が守ってやるんだという使命に燃えていた。