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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第7章 熱~莉愛菜~
「莉愛菜…」
俺が呟くと、とても不安げな表情で見上げてきた。
離されると思ってるのか?
それとも、呆れられたとでも思ってるのか?
莉愛菜は小さい頃にも熱を出すと俺にしがみ付いてきた事があった。
今も変わらないこれは、俺への信頼の証しだと思ってる。
だから、俺が呆れる事なんてないのに。
「りーちゃんは、昔と変わらんな。」
ふと横で佐々木が懐かしむような声を出した。
きっとおれと同じで、昔の莉愛菜を思い出しているんだろう。
「りーちゃんは、母親が死んでこの屋敷に遊びに来るようになるまで幼稚園以外の時間は親戚の家に預けられてたというのは坊ちゃんも知ってますよね。」
「あぁ、知ってる。」
親戚の家ではそれなりに可愛がってもらっていたと聞く。
「その頃、リーちゃんは自分がたまに不安定になってしまう事を小さいながらに感じていてなるべく周りの人に迷惑を掛けないよう、子供にしては異常に周りに気を使っていたそうです。」