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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第1章 幸せなひととき
すると
『一人で外に出るなっ。何かあったらどうするんだ?!』
電話越しで焦り出す海斗にあたしは慌てて言う。
「一人だけど、近くのスーパー行っただけだし、もうお屋敷に着くから大丈夫ですよ?」
『大丈夫じゃないっ。
お前が外で一人になると碌な事が無いだろ。』
すごい剣幕で怒る海斗。
あたしは少し悲しくなった。
「ごめんなさいっ…。」
あたしの声が震えたのが伝わったのか、
『違うっ。行くなと言ってるわけじゃない。
ただ用心しろと言ってるんだ。……心配なんだよお前が。』
あたしの事をいつも思ってくれてる海斗。
このお屋敷に来てからいろいろな事があったあたしにまた何かあるんじゃないかって心配してくれてるんだ。
”心配なんだよお前が”
と言った声が小さくて、海斗の不安が伝わる。
あたしはなるべく明るい声で言った。