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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第3章 熱~海斗~


海斗が倒れた――――?

あたしは頭が真っ白になった。


やっぱり大丈夫なんかじゃなかった。

寺井さんの話はほとんど耳に入ってこなかった。

あたしはとりあえず仕事をキリのいいところで中断し部屋に戻る。

さっき看病の準備はした。

だから迎える体制はばっちり。

確かあと10分とか言ってた気がする……

本邸に行って医務室の佐々木さんを呼んでこよう!

あたしは本邸に走った。


本邸の1階、一番奥にある医務室。

そこにいつもいる初老の男性、それが佐々木さん。

昔からこのお屋敷にいて、あたしも小さい頃に外で遊んで怪我をすると手当をしてもらっていた。

そして、あたしがこの屋敷に来てすぐの頃、階段を落ちた時に手当てしてくれたのも佐々木さん。

とっても優しい、あたしにとっておじいちゃんみたいな人。

広い敷地と屋敷内をひたすら走ってようやく見えた医務室の扉を豪快に開ける。


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