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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第3章 熱~海斗~
「こんなにりーちゃんに心配してもらえて、坊ちゃんは幸せ者だなぁ。
坊っちゃんは、りーちゃんが傍にいれば大丈夫。
すぐに元気になるさ。」
なんの根拠もない事を平然と言ってのける佐々木さん。
あたしがいたって何もしてあげられないのに。
せめて、その辛さを変わってあげたいと思う。
佐々木さんに促されて、足を進めた。
外に出て離れまでの道を歩く。
すると一代の車が入ってきた。
その車を見て、海斗がいつも乗ってる車だと気付き駆け寄る。
「海斗っ、海斗!」
寺井さんが車から出てくるよりも早く、あたしは後部座席のドアを開いた。
そこにはシートに上半身を倒してぐったりしてる海斗がいた。
顔は朝よりも赤い。
とても荒く息をしていて身体が小刻みに震えていた。
「海斗?!分かる?!莉愛菜だよ?!」
海斗の手を取って握りしめ、横を向いてる海斗の頬を掌で包んだ。