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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第4章 焦がれる~海來~
振りかえると、ブラウスの前を手で押さえた、乱れた姿のままの女が上目遣いで聞いていた。
「う~ん。どうだろうなぁ。」
俺は曖昧に返事する。
「もし、海來が忙しいなら、あたし海來の家でご飯作って待ってるよ!」
なんだこいつ。
図々しいにも程があるだろ。
それに、
「なんで、俺の家知ってるの?」
女に近づいて、顎を持ち上げて至近距離で問う。
「何でって、前に教えてくれたじゃん?
駅前の高層マンションでしょ?」
俺は眉を寄せた。
こいつとヤルのは初めてだと思ってたけど、前にもあったんだな。
しかもこんな奴に自分から家の場所教えるなんて、俺大概馬鹿だろ。
俺は女の耳元で最後の一言を告げる。
「俺、図々しい子嫌いなんだよね。
それに、キミって…名前なんだっけ?」
ニコッと笑って見せる。
絶対零度の微笑み。
そのまま何かを喚きながら泣く女を置いてその場を立ち去った。