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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第5章 願い事~莉愛菜~
”たかが、七夕の短冊だよ?”
一生懸命書いたのに。
莉愛菜の大事なお願い事なのに。
気がつくと涙がポタポタと流れていた。
「う、うゎ~んっ…ヒック…」
「莉愛菜?!」
「えっ?!どうした?」
「りーちゃん、どっか痛いのか?!」
皆が突然泣きだした姿を見て慌てだす。
「いっしょ、けんめ…かいたのに……たんざくっ…だいじな…おねが、ぃ…うわぁ~んっ」
「り、莉愛菜っ!そういう意味じゃないんだ。
ごめんっ!ごめんな、莉愛菜。」
海斗お兄ちゃんがギュッてして、何度も謝って背中をポンポンしてくれたから、少し落ち着いた。
「莉愛菜~。そんな酷い事言う海斗お兄ちゃんなんかやめて拓海パパにしな~。」
「父さん黙って。」
「はいっ……」
「莉愛菜、いまのはね。
大きくなったらって書いただろ?
莉愛菜が大きくなるまで結婚出来ないだから、今から騒ぐなって父さん達に言ったんだ。
莉愛菜の願い事を馬鹿にしたんじゃないよ。」