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イマージュ
第11章 そこにいるから
目覚めるとそこは病院の一室で、俺はベッドに寝ていた。
「ミチル!」
ん?
と、声がした方を振り向く間もなく、いきなり誰かに抱き締められた。
なんだなんだ?
「ごめんなさい! 私のせいなの……佳純のせいでこんな……ごめんね! ごめんね、ミチル! 許して……」
女の子の香り。押し付けられる体。暖かい。
状況が呑み込めず呆然とする。
「あ……ごめんね、頭を打ったのに。こんな……今ナースコールするから」
解放される。
抱きついていたのは女の子だった。
泣きはらした顔をしている。
気の毒に。何があったんだろう。
なんか声をかけて上げないと。
「ミチルって? 君は誰?」