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鬼灯
第2章 鬼
春になれば美月は中学生になる。私はまだ一人だった。
再婚の話もこんなに身体が弱くてはどこもお断りだろう。
特にこんな山間では、女の美しさなんて必要はない。要るのは体力と身丈夫だ。

このままこの家で一生を送るのだろうか。…
住まわせてもらっているのだからと、辛うじて食事の支度くらいはするのだが
それも時間をかけると疲れてしまうので簡単なものしか作ることができなかった。


近くの店に買い物に行った帰り、橋の上で軽いめまいを感じた。
よくあることなので橋の欄干にもたれ、少し休んでいると背後から

“こんなとこで身投げすると、死体も上がらないぜ。”と男の声がした。

“身投げなんかしないわ…”



それが私と第二の鬼の出会いだった。
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