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鬼灯
第2章 鬼
身体の弱い幼い子持ち女が生きていける術などあるはずがない。
私は仕方なく実家に戻った。

山間の実家では父はもう亡く、母が一人でひっそりと暮らしていた。

娘を連れて戻った私を母は散々詰ったが、孫はやはりかわいいと見えて
文句を言いながらも渋々私たち親子を受け入れてくれた。



いつの間に私はこんなに身体が弱ってしまったのだろう…
一日の大半を布団の上で過ごすような毎日だった。

そんな母の虚弱とは対照的に、美月は病気も知らずにすくすくと育っていった。
幼いながらも美月は両親のいいところをすべて受け継いだかのように美しい娘だった。

やがて美月も小学生になり、元気に学校へ通うようになっていた。
山間の生活は刺激も少なく単調だが、穏やかな時間が流れていった。
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