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鬼灯
第2章 鬼
娘には父がいません。
娘が幼い頃、若い女性とどこかに行ってしまったのです。

私は身体が弱いこともあり、働くこともできず仕方なく実家に戻りました。
実家は田舎の山間にあり、母が一人で暮らしていました。
母は働き者でしたが、口やかましく、私はよく詰られていました。

お前の身体が弱いせいで旦那を他所のオンナに盗られたんだ…と…


私は何も言わず、ただうつ向いていることしかできませんでした。


そんな母に娘は

お母さんを苛めないで!
お母さんの身体が弱いのはお母さんのせいなんかじゃないじゃない!

といつも庇ってくれていたのです。
でも母は…


ふん…さんざん男に弄ばれた結果さ!
お前も気をつけるんだよ!



娘は何を言われているのか…きょとんとしていました。



娘は私と夫の美しい部分をすべてもらったかのようでした。
かわいいかわいい私の娘。

美月…貴女は幸せになってね…
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