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兄の狂気
第4章 交 差
大丈夫かな、この身体。
お兄ちゃんは
「すげぇいい身体だよ」
って言ってくれるけど…
兄妹だからって贔屓目もあるよね?きっと…
何となくマッサージを始めて少しして、
哲平くんが待ってくれてる事を思い出し
慌てて湯船から上がった。
濡れた髪を拭いて頭上でお団子を作り、
適当に拭いた体にはバスローブを着せた。
バスローブは、もちろんお兄ちゃんの趣味。
あたしは毎日…夜はお兄ちゃんの部屋の
ベッドで一緒に寝るのが基本。
あたしの部屋にも一応ベッドはあるけど、
月1の時と日中家にいる時くらいしか使わない。
そしたら、お兄ちゃんが
「パジャマいらないんじゃね」
って言って、もともとあったさまざまな色の
バスローブを着せられて寝るようになって…
「脱がせやすいからいい」
らしく、あたしは家にいる時は基本
バスローブかベビードールを身につけている。
それが当たり前になってるあたしは
何の躊躇いもなく脱衣所の扉を開けた。
「っ…あ」
壁に寄りかかってた哲平くん。
やけに大人びた表情にドキッとする。
「あっ…哲平くん、お風呂…どうぞ。
ゆっくり、温まってきてね」
平然を装って言うと、
哲平くんがあたしの耳元で囁いた。

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