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夢想姫の逃避録
第3章 大輪の花
泣きそうになった時、ユウガがさっきより近くなった。
いや、包み込むように、抱きしめられていた。
手を緋奈の頭に添えて、大事そうに髪に触れて、また撫でてくれた。

「なんだそんなことか〜!? 俺は全然気にしてないし、むしろ覚悟していた。最初っから信じてくれるわけなんてないだろうし。だから緋奈のグシャグシャな気持ちも含めて全部、真正面から受け止めるつもりだったよ?緋奈は何も悪くない。いきなり守るって言われたって、そりゃびっくりするって。俺は、命削る勢いで緋奈と向き合うって決めていた。緋奈は何も悪くないんだからな?」

ユウガの優しさが心に染み渡っていく。
それは17年間分の心の傷にも染み渡っていく感覚がして、自然と涙が出た。
「ありがとう……ユウガは優しいんだね……」
「緋奈限定でな?(笑)」
得意げに笑われた。

「でも……俺さっき緋奈がされて嫌なことはしないって言ったけどさ、緋奈は夢の中で俺にエッチな事されてどんな気持ちだった?」
急に真剣な表情になった。
「え、えっと……」
「正直な気持ち聞かせて?」
「緋奈は……」

恥ずかしくって目が泳いじゃうけど、落ち着いてハッキリ答えた。

「最初はびっくしりたけど……嬉しかった…もっといろんなこと……シて欲しいって……そう思った……よ」
頬が赤く染まっていくのが分かる。
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