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十字路の上で
第2章 ありふれた日常

最近の天気予報は残念ながらはずれまくりで、梅雨入り宣言した割に、全然降らない雨。
今日も太陽の光がジリジリと降り注いでいる。
「お前、1限で損ねたの?」
隣を歩くふんわりとしたシフォン生地のトップスにスキニーを合わせた真実に目をやると、化粧のラメなのか目元が僅かにキラキラと太陽の光を反射している。
「そう、ほんと最悪。起きたらもう始まる時間でさ。慌てて彰人に電話したわ」
風に煽られた髪を耳にかけ、眉間にシワを寄せながら真実が答える。
真実は小学生4年のときに近所に引越して来た転校生。
そのころから容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能。
色白の肌、小さい顔、色素が薄く茶色い瞳は大きくぱっちりした二重、高くはないが形のよい鼻、口角の上がった薄い唇。
瞳の色に合わせ茶色く染めた長いウェーブの艶髮に、華奢過ぎない適度に肉のついたスタイルのよい身体。
だが性格を合わせると可愛いというよりは綺麗なタイプ。
元々周りの女子に比べると垢抜けていたが、その辺のアイドルよりはるかに整った容姿を持つ真実は年を重ねるごとに洗練されていく。
大学に入って校則がなくなってから、そのスピードは顕著だ。
「お前、いい加減先輩アッシーすんのやめろよな」
「どうせ彰人の通学の通り道なんだからいいじゃん」
悪びれもなくあっけらかんと答える様子に溜め息をつく。

