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十字路の上で
第2章 ありふれた日常

講義室に入ると、必修科目なのですでにクラスの半分以上が揃っている。
入口から室内を見渡しクラスの中でも特に仲の良いメンバーが集まってる席を見つけると、俺と真実もそこに向った。
「おはよー」
真実が後ろから声をかけると、3人の男女が振り返った。
「おぅ」「おはよう」「はよー」
口々に朝の挨拶をかわす。
3人が横一列なので、俺達はその後ろの列に並んで腰掛けた。
「真実ちゃん、寝坊?1限どうしたの?」
斎藤 春が真実を見上げて首をかしげた。
「そうなのー、はるちゃん出てた?あとでノート写させてくれない?」
「うん、もちろん!珍しいね」
春がにっこり笑ながら答える。
金色に近い明るい茶髪にパーマをかけたショートカットが活発な雰囲気でよく似合っている。
彼女は父親によって付けられた名前が相当イヤらしく、
「本当は”はじめ”だけど漢字は”春”だから、”はる”と読んで欲しい」
と初対面で自己紹介をするたびに説明していて、はると言うニックネームが浸透している。
確かに、斎藤の性で女の子に”はじめ”と名付けるのは漢字は違うにしてもまぁなかなかのチャレンジャー。

