この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
十字路の上で
第3章 友情と愛情

「この後も誰かと会うんでしょ?」

「…うん」

「邦彦は知らないんでしょ?」


あたしはまた苦笑する。
邦彦にだけは絶対に知られたくないことだった。


「知ったら心底軽蔑されるだろうね」

「軽蔑じゃなくて心配でしょうよ。ほんと真実こそもったいないわ。何でもっと自分を大事にしないの?」


呆れたように言ってから、グッとこちらに詰め寄る颯太。


「あはは。今日珍しいね。さっきから質問責めなんだけど」


1年の中頃から、颯太だけがあたしの夜の生活に気付いていた。洞察力があるのだろう。


『アンタ、夜1人じゃいられないんでしょ?』


突然前置きもなく言われて、何も言い返せなかったのが肯定になってしまった。

でも咎めることも言及することもせず、周りにも話さず、ただ空いてる夜は飲みや遊びに付き合って見守ってくれていた。

そんな颯太の懐の深さをあたしは尊敬しているし、本当に感謝している。


「んー、なんていうかさ。こないだ、彰人先輩達と食堂で会ったじゃない?」

「うん」

「あの時は真実と彰人先輩がお似合いって言ったけど、やっぱり真実が幸せになれるのは邦彦なのかも?と思って」

「あはは、何それ」

「だって邦彦をちゃんと見てれば、真実が特別なのわかるじゃん?
別にあの女が彰人先輩に相応しいってわけじゃないわよ?あの女と真実、どっちが相応しいかって言ったら間違いなく真実だから」

「はは」


本気だと分かる言葉がくすぐったい。

でも間違ってる。
邦彦はあたしのことが好きで特別なわけではない。


「あのさ……聞いていい?」


珍しく、遠慮がちに颯太がこちらを見る。
あたしは首をかしげた。


「なぁに?」

「真実の好きな人ってどんな人なの?
邦彦でもダメって、どんなけのスペック?」

「あぁ。んー…」

颯太に言われて思い浮かべる。


穏やかな優しい笑顔。
ゆっくり話す低い声。
頭を撫でる大きな手。


「もうホントにね、ずっと好きで好きで…」


色々なことを教えてくれた。
一緒にいると陽だまりのような、心が暖かくなるあの気持ち。幸せな時間。

/34ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ