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十字路の上で
第3章 友情と愛情

「…大好きなの。
すごい尊敬してて、彼以外考えられない」


離れてもまだ、

こんなにも愛しい…。


言ってから颯太を見ると、頬杖をつきながら目を丸く見開き驚いた顔をしてこちらを見ていた。


「…ん?」

「いや、真実のそんな顔初めて見たわ」


自分は一体いまどんな顔をしていたんだろうか。


「そっか…いまんとこ勝ち目はなさそうか…」

「……」


颯太が静かに呟いた後、何となく沈黙がおりた。


各々グラスを傾けたり、煙草をふかしたり、回転する椅子ごと後ろに半分振り返って時間的に少しずつ増えて来た他のテーブル客を観察したりする。

恋人と待ち合わせだろうか?
自分と椅子の背の間にジュエリーショップの袋を隠すように置き、時間を気にしながらそわそわと何度も携帯を確認する男。

ひそひそと話しながらスーツ姿の若いサラリーマングループに視線を送っている女3人組。

テーブル席に向かい合って幸せそうに笑いあっている、自分達と同じ年頃の男女。

その様子を見て、いつも仲の良い春と馨や、遠距離でも長期休みに会いに来ていた関根の彼女を思い出した。

どこもかしこも、恋愛でいっぱい。

こんなバカはことをしているのは自分だけなんじゃないかと思えてくる。
あたしにもあんな純粋なときがあったはずなのに。


虚しいなんて、自分で分かってる。

…会いたい。会いたい。

「…っ」

急激に襲ってくる胸を締め付けるような寂しさと自己嫌悪に飲まれそうになった瞬間ーー。


「友情と愛情って難しいよね」


颯太が沈黙を破った。


「……え?」


現実に戻れてホッとしながらも、颯太の言葉の真意が分からず、あたしは黙ったまま目で先を促した。


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