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十字路の上で
第1章 誰でもいいから

あたしが笑ったのを確認して、彰人がゆっくりと首筋に唇を落とす。
顎を突き上げるとそこに吸い付く。
「顔だけじゃなく、体もな…」
耳元でそう囁いたと思ったら、耳朶を甘噛みされた。
「…んっ」
唇と舌で首と耳に絶え間なく刺激を与え、わざとリップ音をたててあたしを煽る。
耳に当たる彰人の息にゾクゾクして、だんだんと自分の身体も熱を持ってくるのを感じる。
「ハァ…」
思わず吐息が洩れる。
彰人の唇が次第に鎖骨や胸へと移動する。
昨夜のまま何も身につけてないので、隔てるものはひとつもない。
それまで背中を撫でていた指の長い大きな手が前に回り、細い身体には十分すぎるほどに育った弾力のある胸をすっぽりと包み揉みしだく。
絶妙な強弱をつけた刺激、絶え間なく波のようにお腹の中がうずくような感覚が襲ってくる。
しばらくして、指で弄られ敏感になっていた先にそっと唇が触れ優しく吸い付く。
「あ…んっ」
口に含んだまま小刻みに転がすように動く舌。
反対の胸は円を描くように大きく揉まれてたまらない。
快感の中、目を閉じてあたしの頂きを丁寧に愛撫する彰人の顔をじっと見つめた。
欲望のまますればいいのに…
そんな大切みたいに、しなくていいのに…
彰人はいつもあたしを丁寧に抱いて、とても満足させてくれる。
例えそこに愛はなくても。
あたしは押し寄せる寂しさをひたすらまぎらわせたくて…
彰人は相性のいい体を求めていて…
お互いの利害が一致した。
ただそれだけ。

