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十字路の上で
第1章 誰でもいいから


あたし達は、本当に体の相性がいいんだと思う。


こんなに頭が真っ白になって、何も考えずにただただこの行為に溺れられるほど感じさせてくれるのは彰人だけだから。


少し余裕なさげに眉を寄せ、それでも口元にはいつもの自信たっぷりの笑みを浮かべる彰人は本当に美形で見目麗しい。

こんな関係になってからも出来た彼女は数知れず。
でも、彼女が出来たからといってあたし達の関係が途切れることはなかった。

そもそもあまり誰とも長続きすることがなく、彰人が相手に対して本気になってるようには思えなかった。

だからどの存在も、あたしと大して変わらないのだと思う。

完璧に割り切った関係だから、彰人に彼女がいようがいまいがそこまで興味はなく、関係を続けられるのかどうかがあたしにとっては重要。


最低だって、ちゃんと分かってる。

だけど抜け出せない。

他に方法がわからない。

あたしは…

何も考えずにいられる時間が少しでも長くなることを、望んでいるだけだから。



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