この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
そして、花開く
第7章 ~ 6 ~
~◇~
『まちださーん、ミツキさんのお店行きましょうよ~』
『お前、まだ飲むの?フラフラじゃん』
『ミツキさんの前では、いつでもジェントルマンになれるので、今は良いんですよ』
もはや何を言っているやらサッパリ?な勇介と並んで繁華街を歩く。
確かに歩いていこうと思えば行ける距離だが、清貴が店にいるのかがまず分からない。
ふらつく勇介を捕まえてベンチに座らせ、バッグから携帯を取り出す。
コール音が10回も鳴らない内に、清貴が出た。
『あら、久し振りねぇ。連絡出来なくってごめんアソバセ』
『いいよ、こないだ雑誌出てるの見たし』
『ホントに~?買ってくれたの?』
『コンビニの立ち読み。それより服部がそっちに行きたいって言ってるんだけどさ、今店?』
『あ~、あ~。ちょっと待ってね。ごめんなさい』
ガタガタと音がして、清貴の後ろの音が静かになる。
どうやら店から奥へと移動したらしかった。
『悪いわね、今日はもうアタシも上がるの。清姉が大事なお客さまを連れて来ることになってるのよ』
『そうなのか?』
『アンタのシスコンも、終わりを迎えるわね~』
『はぁ?』
清貴が店に居ないなら仕方ない。
ヘラヘラと笑っている勇介に、苦笑いしながら適当に会話をして電話を切る。
来週、遊びにいくからと言っていたが、忙しい清貴の事。
話し半分で聞いておくことにした。