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そして、花開く
第7章 ~ 6 ~
~◇◇~


プップッー

駅の構内に入る手前の路上で、隣に並んだ車がクラクションを鳴らす。

何事か、と視線を送れば所謂、高級車が路肩でハザードランプを点けてノロノロとついてきていた。
窓が開き葉嶋が車内から手を挙げている。

『町田くん、乗って。早く』
『え?』

驚いて立ち止まる。
同じく葉嶋の車も停車すると、途端に後ろの車がつかえて、後続車からクラクションが鳴らされた。

慌てて助手席に乗り込む。

『何ですか、急に』
『ああでもしないと、乗らないだろ』

迷惑な、とため息をついた。
大方、五月のリベンジとか言い始めるのだろう。

『今日は飲みは』
『今日は自家用車だからな、飲まない』

遮る様な葉嶋の言葉に、驚いて聡が見つめる。
それをちら、と見てから小さく笑うと、冷えた缶コーヒーを聡に渡した。

あまり飲みはしないが、買うときに決めてある銘柄だった。

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