この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
そして、花開く
第2章 ~ 1 ~
全く以て勿体ないと思う。
ホワイトのスキニージーンズに、ラフなストライプシャツを着こなし、黙っていれば某事務所系の爽やか青年である清貴だが、本業は女装バーの人気ナンバー1店員であり、たまに女装モデルも副業でしているようだった。
ニューハーフではなく、女装バーで働いているのは、あくまでも男として男性が好きだから、という理由らしい。
オネェ言葉は営業用。
素で話すと、清貴はとても男らしいのだが、その事実は余り知られてはいない。
『オレさ、ゲイみたいなんだ』
カミングアウトされたのは、高校2年の夏だったと記憶している。
別々の全寮制高校に通っていた清貴と聡だったが、夏休みは施設へ帰って来ていた。
毎回夏休みは三井姉弟と施設で過ごすが、前の年に高校を卒業し、バイトをしながら大学に通っている清香はもう施設へ帰って来ない。
いつもの様に聡は部屋で漫画を読みながら寛いでいると、清貴が神妙な顔をして部屋にやって来たのが、ついこの間の様だ。