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そして、花開く
第2章 ~ 1 ~
『何だよ、突然』
『オレ、好きな奴出来たんだけど』
『お前んとこ、男子校じゃなかったっけ?』
『………そう。だから、オレゲイなんだと思う、んだけど…聡。お前随分冷静だな』
『まぁ、清姉から色々と聞いてたから。一回殴らせたら、ゲイでもニューハーフでも好きなのになれって言われたんだって?』
みるみる内に清貴の顔が赤くなる。
そして、傍にあった聡の枕を手に取るとおもむろに顔を押し付けた。
『別に良いんじゃないの。清が好きになる人間は、清の自由なんだし。清姉も口出ししないって言ってたんだろ?
それより、お前が気持ちを隠したりして苦しむのを見る方が嫌だ』
漫画から目を逸らす事なく、思っていたことを告げる。
人を好きになる、という感情がこの頃から良く分からなかった聡は、素直に人を好きになれる友人を応援したかった。
『クサいんだよ、お前っ』
思い切り投げ付けられた枕を、うっかり顔面でキャッチして、大騒ぎしたっけ。