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そして、花開く
第7章 ~ 6 ~
『お前、そこまで答えが出てて…』
『いや。ホント、凄いお似合いなんですよ、別に二人の間に入り込もうとか、1ミリも…っ』
そこまで言って、言葉が止まる。
葉嶋が聡の首を引き寄せたからだ。
『ちょっ、ちょっと。葉嶋さんっ』
『黙ってろ』
『んっ…っ!んぅ~っ』
言うが早いか、葉嶋は聡の口唇を塞いだ。
歯列を割って、舌が聡の上顎をなぞり上げる。
でもゾクリと背筋がしたのは、悪寒でしかなかった。
ドキドキするというより、気持ち悪さにゾワゾワする。
何故キス等されなければならないのか。
渾身の力を込めて離れた。
『ちょっとっ、辞めて、くださいって!!』
『……悪い。………ヤキモチだ』
『辞めて下さいよ…、っとに。…………とりあえず、話聞いてくれてありがとうございました。…何か言葉にしたら、分かった気がします、自分の気持ち。後、送ってくれてありがとうございました』
『…ふ。またいつでもどうぞ』
ハンドルに肘をつき、葉嶋が小さく苦笑いをしながら、答える。
『いえ、結構です』
ピシャリと言ってから、さっさと車の扉を開けた。