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そして、花開く
第7章 ~ 6 ~
文字通り首根っこを掴まれ、黙ったままエレベーターに乗り、やはり黙ったまま降りて、聡の部屋の前まで行く。
不思議に思いながら鍵を開けると、家主より先に清貴が入った。
電気を点け、エアコンの苦手な聡に合わせて、窓を開ける。
聡も後に続く。
と、ベランダの中を見た清貴が、小さく声を出した。
『どうした?』
『…ペチュニア、枯れてる』
『え?!』
走り寄ると、確かに大半が枯れ、葉もカラカラに乾いていた。
そう言えば最近は、ベランダを覗く事すらしていなかった。
枯れた所を摘む清貴の隣に、聡も座り込む。
小さく溜め息を吐くと、清貴が空いている片方の手で聡の頭を叩いた。