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そして、花開く
第8章 ~ 7 ~
ポンと清貴から肩を叩かれる。
『ごめん。聡の鈍さを侮っていたアタシが悪いのよ』
『いや…大丈夫』
誤解を解く為に集まって貰ったとはいえ、これではまるで聡の恥さらし大会だ。
ぶっちぎりで聡の優勝だろう。
正直、早めにお帰り願いたい。
しかし早めに終わるどころか、話は聡の思いもしない方に飛び火した。
『多分、気付いてないだろうけど。大樹先輩、アンタも大概ですよ』
『俺?』
『そうね。聡ちゃんが悩んでるのも気付かなかった位ですもんね』
清貴と清香の言葉に、それな…とだけ呟いて、大樹が肩を落とす。
視線をチラリと聡に送った後、清貴に視線を移して、自嘲気味に答えた。
『そう言うなよ。俺はとっくに振られてる』
その答えを聞くや清貴が立ち上がり、大樹に指を差した。