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そして、花開く
第9章 ~ 8 ~


『まぁいいさ。急ぎ過ぎたのかも知れん。気長に聡の気が変わるのを待つさ。淋しくて、一緒に住もうって聡から言われる位、俺を好きにさせれば良いだけだろう』

しれっとした顔でそんな事を言って退けるものだから、聡は耳や首筋まで真っ赤になる。
それを見て、清貴が凄い自信だと笑った。

『自信はないけどな。大事にしたいからな』
『も!もう良いですってば!大樹さん!わ、わざとでしょ、それっ』

慌てる聡を尻目に、レタスとトマトを野菜室から出した大樹が聡の頬に口付ける。

顔を真っ赤にした聡は頬を押さえ、若干涙目になりながら、キッチンを出て清貴の隣に座った。

『まぁ、いいわ。それだけ仲良くやってるなら、安心した』

清貴が席を立つ。

大樹が何か作るぞ、と声を掛けていたが、用事があるからとそれを丁寧に断った。

『その代わりちょっと聡貸してください。聡、下まで付き合えよ』
『あ、うん』
『ちゃんと返せよ』

これではどちらがこの家の住人だか分からない。
笑いながら頷き、リビングを出る。

聡もその後をついていった。

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