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そして、花開く
第2章 ~ 1 ~
ビールを片手に自身の作ったオムレツを一口食べると、付き合いの長さ舐めんなとたしなめられたのだった。
『どうせ、うじうじまた悩まなくて良いことを悩んでんだろ?とっとと話せ』
すっかり営業用のオネェ言葉が抜けて、素に戻っている。
こうなると、話を交わそうとすれば、清貴の機嫌も悪くなりかねない。
聡は今日あった事を、ポツリポツリと話した。
聞き終えた清貴が、フーッと大きな溜め息を吐く。
『何でそんなに小難しく考えるかねぇ。いい?男女なんて星の数程居んのよ。好きだと言ってくれたなら、別れる時の辛さを考えて断るんじゃなくて、乗りなさいよ』
『でも』
『でも、じゃなく!嫌いな子じゃなかったんでしょ?なら…』
『19だぞ?若すぎるし、嫌いな子じゃ無いけど……本当にバイトの子って認識以外何もなかったからさ』
また少し薄くなったウィスキーを、口に運ぶ。
そう、好きとか嫌いとか以前の問題なのだ。
だから断り方を躊躇した。
『聡のシスコンも大概な、姉ちゃんに言っとくわ』
清貴の姉の事を言っているらしい。
が、当たらずとも遠からず。
年下が恋愛対象外になっているのは、清香が起因する様な気は自分でもしていた。
否定したくても出来ず、更にウィスキーを煽ると、清貴がまた盛大に笑った。