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そして、花開く
第3章 ~ 2 ~
~ ◇◇ ~
職場から程近い最寄り駅から、聡の住むマンションまでは一区間しかない。
距離にして約2キロ強。
よほどの事がない限り、聡は運動不足解消の為、歩くようにしている。
今日は思いの外忙しく、少しくたびれていた。
こんな日はコンビニで買った弁当と、ビールを一本飲み、風呂に入ってさっぱりするに限る。
時刻は19時30分。
いつもより少し遅いが、先日購入した小説も気になっている。
楽しみを考えながら、マンションのエントランスに入ろうとした時、聡ちゃん!と声を掛けられた。
『清姉!』
もう長年の姉弟の様に声で分かる。
名前を呼び様振り替えると、カプリパンツにシャツとカーディガンというラフな出で立ちの、小柄な女性が立っていた。