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そして、花開く
第3章 ~ 2 ~


見なくても分かる程、聞き慣れたその声の持ち主は三井清貴の姉、清香だった。


『お疲れ。ごめん!アポなしで』
『いいよ。けど、待っててくれたんでしょ?こんな時間に女の人一人でいるのは危ないから、前以て連絡くれる?』
『ハイ、気を付けマス。全く、聡ちゃんは相変わらず紳士だね~』
『ハイハイ。清からお前のシスコンも大概って言われた。寄ってくでしょ、お姉さま』


小動物を思わせるような、小柄な体型。
ドングリ眼の可愛らしい顔立ちは、クルクルと表情を変える。

それらは女性特有だと感じるが、やはりどこか清貴の女装した姿と似ている、といつも思うのだった。


清香は大きく頷くと、聡の後をついてマンションへと入っていった。

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