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そして、花開く
第3章 ~ 2 ~
『大丈夫だよ、清姉』
振り返った清香に、聡が微笑む。
その表情で安心したのか、清香はわかった、とだけ言うと窓を開け、土に液体肥料の入った小瓶を刺したのだった。
『そうそう。聡ちゃん、来週の金曜日は仕事終わってから、予定ある?』
『何もないけど、どうしたの?』
聞けば来週の金曜日、清貴の本業である女装バーで、イベントをするのだと言う。
不定期で一年に何度か行われている、という話は聞いていたが、声を掛けられたのは初めてだった。
『今年はいつもより、大々的にやるらしくって、私も事務所の同僚連れていくんだよ。だから聡ちゃんもどうかなって』
大勢が集まる場所は余り得意ではない聡は、清香の誘いに躊躇した。