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そして、花開く
第4章 ~ 3 ~
『体力には自信あったつもりだったんだけどなぁ、年かな』
『ちゃんと運動して、ちゃんと食べてます?じゃないと体力つかないですよ。彼女から食事とか作って貰えないんですか?』
『………彼女が居ればな』
勇介が大袈裟に、居ないんですか!と驚いて見せる。
彼女など居ないのは周知の事実の筈。
何が楽しいのか、勇介が嬉しそうに笑っている。
『勿体ないな~、町田さん。目鼻立ちもシュッとしてて冷たそうだけど、イケメンなのに。冷たそうだけど』
『……冷たそう、か?』
『見た目は、ですよ。けど見た目より、優しいんですよね~。じゃあ、俺が彼女の代わりに食事作りましょうか!町田さん、の家って…』
『あーあ、台車があればねぇ。服部くん』
『う…すみません』
まだ半分も運べていない。
せめて台車があれば違うのだが、三台ある内の一台は、今シュンと項垂れている勇介が昨日ブライダルの内祝を配達した先で壊してしまい使えず、後の二台は副社長の美空が社長と配達で持って出てしまっている。