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そして、花開く
第4章 ~ 3 ~
店内には見た所、店員も客も女性しか居ないようだが、あれだけ長身で無愛想にも関わらず、溶け込んでいるようだ。
余り他人の働く職場を覗く事などないのだが、職種が違う為か珍しく興味を惹かれてしまった。
そのせいか、後ろに誰かの気配を感じる事が出来ずにいた。
『余り他人に興味ないかと思ったら。珍しいな』
『!!!っっは、葉嶋さん!』
『ボサッとしない。お客様だぞ』
突然声を掛けられてひっくり返りそうになる。
すかさず葉嶋に腕を掴まれた上で、駐車場に入ろうとしている客の方へ行くよう、お客様へ向けた営業スマイルと共に、手で促される。
『はい!行って参ります…』
冷や汗が流れるのを感じながら、聡は客の方へと駆け寄って行ったのだった。