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そして、花開く
第5章 ~ 4 ~
『町田くんはね、丁寧で接客スキルは申し分無いのに、笑顔が下手くそ過ぎて勿体ない、無理して笑い過ぎってうちの担当になってから、ずっと言ってたんだよ、葉嶋は』
『そうなんですか…』
『そ。松田さんもあんなふわふわしてたら、変な客に気に入られたりして危なくないか、とかね。服部くんの事も、営業成績だけに囚われないよう、気を遣えとかね。こいつ、本社の人間の癖に丁寧に話すのが苦手でね』
『うるさい、有田。余計な事を言うな』
横から口を挟む葉嶋の言葉は、無視して話を進める。
『胃に穴が空くほど、気をつかって地区の担当してる癖に、言葉が足りないんだよ』
『いや、足らなさすぎでしょ』
思わず出た聡の言葉に、葉嶋は一口ビールを含んでから、ジロと睨んだ。
『気付けよ、ニュアンスで』
『無理ですって』