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そして、花開く
第5章 ~ 4 ~
聡には貼り付いた営業スマイルと言い、愛花には学生気分が抜けてないと言い放ち、勇介にはお前の営業成績は店の売り上げを左右しない、と言ったのだ。
愛花は勿論の事、勇介も随分と落ち込み、フォローに回る羽目になった聡は、それはそれは大変な思いをした。
それをニュアンスで気付け、は無理な話だ。
しかし、そこまで自分や他の二人の事を気に掛けてくれていたというのは意外だ。
と言うよりは、胃に穴が空くようなタイプに見えない上に、その気配りを言葉に出来ないというのが驚きだ。
酷い言い方をすれば、有田に負けないルックスと、如何にも仕事が出来そうな、難しい仕事もサラッとこなして、これ位出来ないと、と鼻で笑いそうな器用な人に見えるのに、不器用も良いところだ。