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そして、花開く
第5章 ~ 4 ~
~ ◇ ~
五月の当初から忙しくなり始めていた御中元商戦は、六月に入り本格的に御中元の早期予約シーズンを迎えている。
六月の始めに一週間あったイベントは盛況で、通年同様今年の御中元シーズンも八月のお盆過ぎまでは、賑わうだろうことが予想された。
そしてやはり通年同様、この時期は休みがかなり少なく、六月も半ばだというのに聡は今日の休みでまだ二回目だった。
『逆にする事ないな…』
開け放した窓の向こうに見える梅雨時期特有の曇り空を眺めながら、聡はソファーにもたれ掛かった。