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そして、花開く
第5章 ~ 4 ~
そのまま馴れた様子で右最奥の書棚へと足を運ぶ。
園芸、と書かれたプレートの下には様々な園芸に関係する本がズラリと並んでいた。
(ああ、挫折しそう)
いきなりめげそうになる。
そもそも、自分は一体何を調べれば良いのか。
しかし、枯らしてしまったらせっかく気を遣ってくれた清貴にも悪い気がするのだ。
気を取り直して、手を伸ばそうとした時だった。
『町田?』
後ろから声を掛けられて、手が止まった。
そのままの形で、首だけ後ろを振り返る。
そこには珍しくスーツを着た大樹が立っていた。