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そして、花開く
第5章 ~ 4 ~


『すみません、助かりました』

書店を出た聡は、一緒に書店を出た大樹に頭を下げた。

その手には、紙袋に入れられた園芸の本が握られている。
店内で書棚とにらめっこしていた聡は、大樹に事情を聞かれ、家のペチュニアの話をした。

大樹から解決法が聞く事が出来れば、と思っていたが、聞いてみればそう簡単にはいかないと分かり、結局手順の載った本を購入したのだった。

『いや、別に構わない。俺も買ったし』

いつの間に購入したのか、カバーのついた文庫本を握っている。
二人が好きな作家の作品で、聡もまだ購入していないものだった。

読んだら貸して貰えるよう約束して、どちらともなく、歩き出した。


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