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そして、花開く
第5章 ~ 4 ~
『それにしても花は難しいですね。ベランダに置いてるから、大丈夫って思ってましたし。まさかお日さま不足とは』
『朝顔の一種だからな、陽の光を好む。また分からなくなったら教えてやるさ』
『米村さん…。ありがとうございます』
『大樹でいい。それにしても、清貴の奴。自分で癒されろって花を押し付けるとはな』
ククッと喉の奥で笑う。
そして優しい姉弟だ、と驚く程に優しい表情で、大樹が微笑みながら呟いたのを見て、聡は思わずその表情を見つめた。
(こんな顔、するんだ)
意外だった。