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そして、花開く
第6章 ~ 5 ~
その度に大樹が冗談をいうので、聡は反応に困っていた。
『お疲れ様です。どうしたんですか?』
『ん?いや…仕事が終わったから、声聞こうかと思って』
『……ア…ソウデスカ』
(またこの冗談…)
冗談は、苦手だった。
あまり自分から進んで人付き合いをしてこなかったせいか、上手く切り返せない。
自業自得だけれど、少し悔しいと聡は毎回感じていた。
『そういえば。この間買った本、読み終わったけど、どうする?今度店に取り来るか?』
『ありがとうございます!そうですね…』
今度店に寄らせて貰います、と言い掛けて聡が口を閉じた。