この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
そして、花開く
第6章 ~ 5 ~
『どうした?』
『いや、もしこれから時間あるなら、一緒に夕飯でもどうかなと思ったんですけど…』
『それは構わない、ただ流石に聡の家までは知らないんだが』
『あ、ハイ。え?!家!!家ですね、えと…』
外食をと思っていただけに、すっかりしどろもどろになる。
誰かが家に訪ねてくるというのは、三井姉弟以来だった。
いや、外で食べませんかと言えば良いだけなのだが。
話を遮るのが苦手なのが仇となり、聡の家に来るという話なのに主導権は聡に無かった。
結局、最寄り駅を教え、電車が着く頃に迎えに行く事を約束して電話を切る。
切った後、直ぐ様台所へ駆け寄り冷蔵庫を開けるが、適当な物しか食べていない為、人様をおもてなし出来る状態ではなく、ガックリと肩を落とした。