この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
そして、花開く
第6章 ~ 5 ~
~ ◆ ~
『悪いな、じゃあ台所借りる』
家に着きキッチンに入った大樹から、聡が缶ビールを受け取る。
何だろう?と見ていると、乾杯とカウンターの向こうから、大樹が同じく缶ビールを持ち上げていた。
『あ、乾杯?』
『形だけな。カウンターに居れば、お互い食いながら飲めるだろ。けど俺は料理作りながらだから、行儀は悪いな』
無愛想な表情が、一瞬照れた様な柔らかいものになる。
それを正視できず適当に返事をすると、聡はカウンターに置いていた雑誌などを、片付け始めた。