この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
そして、花開く
第6章 ~ 5 ~
でもシンクやコンロ回りも綺麗にしてあり、皿を洗えば終わる様に片付けられていた。
(本当に器用だし、料理好きなんだな)
こんな風に使うのは、清貴位なものだ。
最も、大樹に料理を教わっているならば、それも頷けるのだが。
『そういえば、ここに越してきたての頃は、本とテーブルと布団と洋服しかなかったんですよ。仕事に馴れる事に一生懸命過ぎて、食事を作るなんて考えにも至らなかった』
『……若かったんだろ』
『本当に、そうですね。毎日職場と家の往復で、食事を摂ることすら忘れる日もありました。それが原因で倒れてしまって、清が初めて家に来てくれたんですが、あんたは人がせっかく選んだ物件を!刑務所みたいじゃないって、怒られました』