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貶女(おとしめ)
第15章 【田舎編】養父の下心
完吾も それは充分承知していて、早く元気になった莉桜と村中を散歩して娘を見せびらかしたい気持ちと、誰の目にも触れさせたくない、ずっと閉じ籠っていてくれればいいのに、という相反する気持ちが彼の胸の中でせめぎあっていた。
これが年頃の娘をもつ父親が抱く『他の男なんぞに嫁にやるものか』という独占欲かと感慨深く思っていた矢先、完吾の莉桜を見る目を『父』から『男』へと変える契機が訪れる。
それは莉桜と一つ屋根の下で暮らし始めて二ヶ月ほど過ぎようかという ある夜のこと、便所に立った完吾は莉桜の部屋の前を通りかかり、中から漏れ聞こえる小さな声に足を止めた。
これが年頃の娘をもつ父親が抱く『他の男なんぞに嫁にやるものか』という独占欲かと感慨深く思っていた矢先、完吾の莉桜を見る目を『父』から『男』へと変える契機が訪れる。
それは莉桜と一つ屋根の下で暮らし始めて二ヶ月ほど過ぎようかという ある夜のこと、便所に立った完吾は莉桜の部屋の前を通りかかり、中から漏れ聞こえる小さな声に足を止めた。