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貶女(おとしめ)
第21章 【貴子 side】
ムカムカしながら社務所を出ると、境内には掃除をサボっている猿彦と、その視線の先に巫女姿の莉桜がいた。

いくら気に入らないオモチャでも、他人のモノになると思うと急に惜しくなるものだ。

貴子は猿彦と莉桜を結ぶ、見えない直線をわざと横切った。

母屋へと歩く貴子は、猿彦が少し離れてついて来ていることに満足し、自分の部屋に戻る。
そして中庭の掃き掃除をするフリで窓から部屋を盗み見する猿彦の気配に、貴子のイタズラ心が疼きだした。



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