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貶女(おとしめ)
第2章 【学校編】初カレ
幸福感と恐怖心がない交ぜになって眠れぬ夜を過ごした莉桜だが、駅のホームで元基の姿を見かけただけで何もかも吹っ飛んでしまった。

駆け寄る莉桜の気配を感じたのか、元基が振り向き笑顔で彼女の名を呼ぶ。

「おはよう、莉桜」

「もッ元基君、オハよ」

単なる挨拶に緊張して声を裏返す様子に、元基は優しく微笑み莉桜の心拍数を倍増させた。

下校の時とは違い人目が多いため恥ずかしくて手は繋がないが、隣にいるだけで莉桜は舞い上がってしまい、いつも通りしゃべることさえままならない。

元基の話に相槌を打ち、頷くのが精一杯の莉桜には周囲の冷たい視線に気づく余裕などまるでなかった。




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